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【感想】雨森たきび『負けヒロインが多すぎる! 7』

負けヒロインが多すぎる! 7 (ガガガ文庫)

負けヒロインだらけの青春ラブコメディ、

7巻は新キャラ、後輩マケイン登場。白玉リコ編!

www.kinokuniya.co.jp

 

前巻の感想

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あらすじ

後輩マケイン、白玉リコ登場!

「……部長さんって、大人なんですね」

ツワブキ高校新1年、白玉リコ。
小抜先生の紹介でやってきた、あざとく可愛い後輩女子。

そう、俺たちはこの可憐な見た目に見事に騙されていたのである。
廃部の危機を救ってくれる天使かと思いきや、まさかトラブルを起こして停学中の超問題児だったとは……。

結婚式場への潜入ミッションこと「白玉リコ・リベンジ大作戦」に巻き込まれた文芸部の明日はどっちだ!? 
負けヒロイン特盛ラブコメ、後輩旋風ふきあれる第7幕!

 

 

 

 

 

 

 

【以下ネタバレ注意!】

 

 

 

 

 

 

 

いきなりの大事故

 晴れて温水くんたちも二年生。

 新入生を文芸部に勧誘しないと部の存続ができない!ということで、オリエンテーションを頑張る温水くんたちですが、いきなりの大事故じゃねーか。

 小鞠ちゃんとかがアガッちゃうのは計算のうちとして、焼塩はどうして紙袋かぶって突入してきた(笑)。いったいどうしてそうなった。

 

新キャラ登場・白玉さん

 めっちゃ可愛い子だけども、ややあざとい感じがするかもな~。

 計算高い小悪魔系かな?

 なかなかやっかいな子を抱え込んじゃったかもと心配になる。

 

 そんな白玉さんが意外なことに温水くんにガツガツ来る。

 男なら誰でもいいのか?

 そんなだから入学早々停学くらったのか?

 普通そういう計算高い女子はカースト上位を狙って己のステータスを稼ぐものなのではないかと思うけど、温水くんのどこかに惚れてしまったのだろうかと大いに疑問が湧いてくる。

 それともなにか別に目的があったりするのだろうか。

 

佳樹の警告

 佳樹、このタイミングで白玉ぜんざいを作る。この明らかな牽制っぷり。何かを知ってる!?って思ったら潜入捜査までしてましたか。

 いやー、マケインは探偵さんが多いな(笑)。

 

白玉さんの停学理由

 なるほど、男癖の悪さではなく前科的な奴だった。

 なんか想像してたよりヤバい子きたぞ?

 そうかこいつも朝雲さんタイプかぁ~。というか佳樹タイプか。

 なんで温水くんの周りにはこうも法律的にデンジャーな女が集まって来るのか。

 自作の器具で鍵を開けた!? どゆこと!?

 

あざとい

「火を点けたのは部長さんですよ?」

「――責任、とってくださいね」

 

 この子はいちいち言うことがあざといなぁ~。天然なんじゃなくてほんと計算なんだろうなぁ~。

 

ミッション・インポッシブル開始!

 そして開始される白玉さんと田中先生のウエディング・フォトを撮ってしまおう大作戦。いやー、実に大胆なミッション、わくわくしてしまいます。

 一見とてもじゃないけど無理としか思えない不可能ごとを、丁寧にステップを積み重ねて本当にできることとして説得力を持たせてしまう。とてもみごとな展開でした。

 

潜入大作戦

 まずは現場の情報がないことには話にならないということで、結婚式場の潜入調査。

 佳樹が結婚式をやりたがったり、綾野案は朝雲さんの殺気でボツになったり、会議からしてにぎやかで楽しすぎ。

 他人が鈍感なのにはちょっと腹を立てちゃう温水くんにはさすがに笑ってしまいました。自分が鈍感だったことに気づいたとき、はたして温水くんはどうなってしまうのか。何を思うのか。

 

決行、潜入調査

 かくして潜入踏査は志喜屋さんと温水くんのペアで決行。

 式場でイチャイチャしてくる志喜屋さんは、たぶん作戦とかよくわかってないんだけど楽しんでいるようでなによりでした。やっぱり志喜屋さんはかわいいなぁ~。

 温水くんは社会人には見えなかったろうけども、志喜屋さんならけっこういけるんじゃなかろうか。

 

朝雲ドリンクの脅威

 八奈見杏奈の減量にすべてがかかる。絶望感しかないのだが(笑)。

 それをサポートすべく朝雲さん特製の痩せるドリンクが投入される。

 いやいやこええよ。合法ってなんだよ脱法じゃないだろうな。

 いつにもまして様子のおかしい八奈見さんにはさすがに心配になってしまう。

 これが成功した暁の八奈見さんの本気のラーメン……どんだけ食うつもりだ。リバウンドするぞ(笑)。

 

温水くんはお兄ちゃん

 それにしても佳樹を作戦から降ろさせた温水くん、ちゃんとお兄ちゃんをやっててかっこよかった。

 そうだよね、佳樹は受験生で、このツワブキ高校に入りたいんだもんね。それが問題なんか起こしてたら絶対ダメだし、兄としても認められないや。

 温水くんが妹をただ甘やかすんじゃなくて、ちゃんと責任あるお兄ちゃんをやっててとてもよかったです。

 佳樹、かわりにデートで思いっきり甘やかされなさい。

 

温水くんの戒め

 去年、八奈見さんを拒絶して傷つけてしまった件、今でも温水くんには大きく残ってて、それがしっかり反省と自戒になっているのだなぁ~。

 大きな成長を得ていたんだなと、グッときてしまいました。

 過去のイベントがしっかり今に活きているってのはとてもいい。

 

焼塩の変化

 焼塩にも少しだけ変化が。

 それは大人に近づいたということなのか、恋のフェーズが変わりつつあるということなのか。

 前の巻でスポットが当たった分、この巻ではあまりではあまり出番のなかった焼塩ですが、これからの彼女にも注目ですねー。

 

男女入れ替え

 温水くんを女装させ、会長を男装させる。

 八奈見さんの服を借りた温水くんだけど、さすが八奈見さんだ、スカートがゆるゆるとか。

 そしてそんな温水くんを見た天愛星さん、鼻血をふいて倒れる。刺激が強すぎたか。

 いやいや、演劇部の取材って言ってるんだからそっち方向で理解してくれればいいのにと(笑)。

 ほんと天愛星さんはブレないなぁ~。

 

任務達成!

 作戦はとんとん拍子に上手くいき、ウエディング・フォトも大成功!

 いやー、どこかで大失敗するんじゃないかとヒヤヒヤしてましたが、実に鮮やかな作戦でした。

 朝雲さんのプロフェッショナルな工作能力と作戦指揮能力、会長のひとたらしな魅力と演技力が大きかったかなー。

 しかし白玉さんがいなくなってすぐに「こんなこともあろうかと」と着替えを用意して対応できた温水くんもめちゃめちゃグッジョブだった。

 むしろ最大の功労者もありうる。

 

見事な説得

 白玉さんをみつけた温水くん。正論な説得はあえて捨てて、強く挑発的なことを言って白玉さんの心に声を響かせる。

 いやー、やるじゃないですか温水くん。

 マケインたちが、そんな物わかりのいいはずもない。

 無理だとわかっていたって、そんな簡単に諦められるものじゃない。

 これまで数々のマケインたちを見てきた温水くんが学んだこと、鍛えられたことが、ここで大いに活きています。

 温水くん、とにかくグッジョブですわ。

 

大脱出!

 ウェディング・ドレスの白玉さんを連れて温水くんの大脱出。

 花嫁の腕を引き、最後はお姫様抱っこをして式場から走り去るとか、なんかもうロマンが大爆発。

 なるほどこれをやるための巻だったのか~と勝手に大納得でした。

 めちゃくちゃカッコいいじゃないですか温水くん。すっかりヒロインとヒーローだ。

 

 そして思うのは、前巻の焼塩との勝負のために鍛えてなかったら、温水くんは絶対こんなことできなかっただろうな~ということなんですよね。

 佳樹よりちょっと重い程度とはいえ、女の子一人を抱えて全力疾走なんて以前は絶対できなかっただろうなって。

 あの特訓の日々があったらこそできたことですって。

 あの日々が、しっかりとこの日に活きているわけです。

 

脱出は成功し

 おいおい、ほんとになんだかその気になってる白玉さん。そりゃあウエディング・ドレスでふたりで式場から脱出とか、乙女にとっての夢のようなシチュエーション、テンション上がっちゃうのも分かるけど!

 

 一方、八奈見さんも扱いがなかなかひどい。

 「夢と言っても悪夢寄り」って。

 ウェディングドレスを着た八奈見さんが「脱がせて」って言ってきたのに悪夢ってどゆこと?(笑)

 そういうとこだよ温水くん。

 バターを持ち歩く八奈見さんと言うのも笑ってしまった。

 いやー、やっぱり全体のオチは安定の八奈見さんとの夫婦漫才なんだなぁ~。

 

白玉リコ、初めての小説

 白玉リコ、晴れて正式入部。

 同時に仮廃部ってどういうこっちゃってなりましたが、とにかくめでたしめでたしだ。

 はじめは式場に潜入とか絶対ムチャクチャになって大失敗して大変なことになりそうだなーと思ったんですが、いやー、みごとなに華麗なる着地を見せてくれました。楽しかったー。

 

 白玉さんも初めてとは思えない立派な時代小説。なかなか読ませるじゃないですか。

 しかしやっぱり内容がちょっと怖い。お姉さんを殺すな(笑)。

 

妹戦争

「――部長さんが私のお兄ちゃんになってくれたら、嬉しいなって」

 

 こりゃあ戦争だ!!

 佳樹VS.白玉。こいつぁ激しい戦争がはじまりそうだ!!

 

まとめ

 ここまでの約一年、温水くんが経験し、つまづいたり、悩んだり、悪戦苦闘をくりかえし頑張ってきたいろんなことが温水くんを大きく成長させた、その集大成のような巻だったな~と感じました。

 そしてそのことは温水くん個人の成長にとどまらない。

 温水くんが関わり、つながりのできたいろんな人たちがいたからこそ、こんなミッション・インポッシブルな離れ技ができちゃったということなんですよね。

 それはほかでもない、温水くんが頑張ったからこそ集められた仲間たちであって、勝手に人々が寄ってきたわけではなくて、温水くんがいて、頑張ったからこそそこにこんなにも頼れる仲間たちがいるわけです。

 もちろん今回しでかしたことは世間的に自慢のできることじゃあありません。

 でも、白玉リコというちょっと困ったマケインちゃんに、胸を張って一年上の先輩だよと、文芸部の部長だよと言えることをやってのけることができた。

 迷走していた白玉リコの心に、声を響かせ、その背中を押すことができた。

 腕を引っ張り、その体を抱き上げ、救い出すことができた。

 胸を張って俺が先輩だよと、そう言えるだけのことをしてのけた。

 温水くんが最高にかっこいい成長を見せつけることのできた一巻であり、これまでの集大成、成長の証を見せつけてくれる巻だったな~と感じました。

 温水くんのこの一年が、しっかりと実を結んだクライマックスだったな~と。

 いやー、温水くん、めっちゃいいヤツになってきたじゃないですか。

 

 

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