エルフ王国侵略を開始したオーク軍は思わぬ窮地に立たされる!
オルクセン4巻、読みましたー。
前巻の感想
あらすじ
長きにわたる怨讐を晴らすため、魔種族連合オルクセン軍は一丸となり、エルフたちとの戦いに身を投じる。そしてついに、エルフィンド軍最強と名高いダリエンド・マルリアン率いる一群がオルクセン軍の前に現れた。この可憐な少女のような外見をしたマルリアン大将こそ、さきの戦いでオルクセン王国の先王を討った敵将その人であった……。
大人気シリーズ、待望の第4弾!
【以下ネタバレ注意!】
- あらすじ
- 要塞攻略戦
- マロリアン将軍
- 死屍累々
- 食戟のオルクセン
- 近代兵器の嵐
- 徹底的な遠距離砲撃
- 狡猾な罠
- 兵站戦
- 偶然?
- エルフの不思議
- 騎兵封殺
- 大鷲、爆撃機になる
- 殺処分
- 焦土作戦
- 衰退の原因
- リヴィル湖畔の戦い
- まとめ
要塞攻略戦
こんどは攻城戦。それもオルクセン軍とほぼ同数、むしろややエルフ側が多く、さらにそれを名将が率いる巨大な城塞都市かー。これは骨が折れそうだ。
互いにどんな手を用いるのか楽しみ。
マロリアン将軍
敵将はマルリアン将軍。かなりの名将のようで相手にとって不足なし。弱い敵では面白くないですからね。
しかも外見12歳のロリエルフだと!?
どうしたオルクセン。急に芸風を変えてきたか!?w
死屍累々
近代戦はおびただしい死傷者を出すと……。
というかむしろこの時代より前だとそこまで死傷率は高くなかったんだな~と、むしろそっちの方が発見だと感じました。
映画とかマンガ・アニメだと戦争と言えば古今東西どんな戦争でもあっという間に死屍累々ってイメージがあって、こちとらそういう知識しかないですからね〜。
なるほど会敵してすぐに数百人の死傷者っていう戦争は近代戦争ならではなのか。
療術魔法兵と書いて「マディック」と読ませるのは上手いなぁ~。
食戟のオルクセン
戦闘開始前に温かい食事が出るオークとは対照的なビスケットと缶詰と冷たい水ばかりなエルフ軍。
指輪物語のエルフ製保存食レンバスを思い出します。レンバスは一応美味しいという設定だったはずだけど、あれだけで終盤の長旅を乗り切ってたフロドたちは過酷な印象が強くてあまりいい印象ないんだよなー。
エルフィンド兵をオルクセンの美食で陥落できないだろうか。
近代兵器の嵐
淡々と砲の数を羅列し、淡々と発射された弾の数を示す。その暴威。冷徹なほどの迫力があります。
そして数字が示す自明の理のように蹂躙されるエルフィンド軍よ。いやー、これは無理ゲーだ。生きた心地もしません。
しかし、そこからエルフィンド軍、よくぞ立て直し、オーク軍を迎撃したものだ。しかもオーク軍の出鼻をくじき、足踏みさせるほど持ちこたえるとは。
砲弾と銃弾の雨のなか、前進するってのはたとえ精強なオーク兵でも至難の技。
たがいの近代兵器の凄まじい破壊力がうかがい知れます。
攻防のシーソーゲームに手に汗握る。
エルフィンドが押し出したかと思えばオーク軍が徹底的にそれを叩く。ちょっとくらいの知恵や戦術は、兵器の威力が全く無意味なものにしてしまう。恐るべし近代兵器の威力。もちろんこれを運用する者たちの訓練あってのものですが。
徹底的な遠距離砲撃
要塞内側の市街地まで叩いちゃうんだ!
それもそのはず、オルクセン沿岸部の町を砲撃された仕返しでもあるし、エルフィンド側が国民皆兵を宣言している以上、降伏勧告をつっぱねたのならすべて砲撃されて当然という、そういう論理が成り立つわけか。
無慈悲だけども仕方ない。
狡猾な罠
マルリアン大将降伏!
しっかしやるなぁ~。ただの降伏ではない。4万の兵をみごとに脱出させてみせたとは。
線路を確保したがっているオルクセンの意図を見抜き、それを逆手に取っての脱出作戦。魔術通信妨害も効いてるし、情報収集能力も高い。
遠隔地の戦場で起きたことでもいいものがあればそれをすかさず取り入れ、実行し、結果を残せる名将だ。
そして本命の仕掛けはその後で発動する。
軍民合わせ、自国民71万人をオルクセン軍の兵站を食い潰す巨大な重荷にしてみせるという、とてつもない大胆なトラップ。
いやー、なんというひどい手だ。オルクセン式の占領地政策もあるけれど、生真面目に敵国民も食わせるオルクセンなればこそ最高に効く手でもある。
徹底的に兵站を整備し、回そうとするオルクセンだからこそ、この変化球的焦土作戦はさらにオルクセンをきりきり舞いさせてしまいますなー。
いやー、してやられた!
兵站戦
ここからのオルクセンの兵站における大苦戦、読み応えありました。これぞオルクセン!という、めっちゃ楽しいパートでした。
いくら物量が潤沢にあってもそれを必要とする場所まで速やかに運ぶことができなければ意味がない。かといって考えなしに運びすぎれば要所要所で血栓も起きるわけですしね。
なんとか兵站を成立させてしまったオルクセンはさすがだけど、それでも完璧とまでは行かない。現地調達の農家でタマゴを分けてもらったり……などのことが常習的に行われているのを憲兵も見て見ぬふりしたりと、厳密に判断すれば違反行為が行われていたり。
こういう事も起きたりするのもリアリティ。
エンドウ豆のスープだらけになってしまうのもさもありなんという感じで苦笑いさせられます。
やー、臨場感あるなぁ。
偶然?
道洋からきた男アキヤマ大尉は秋山好古かな?w
ブリュネ大佐というのはラストサムライのジュール・ブリュネということだろうか。
どうして地球の歴史と人物まで同調してくるのか。不思議な世界です。
この作品の本筋ではないとは思いますが、世界そのものにも秘密が隠されていたりするのでしょうかね?
エルフの不思議
エルフはうんこしない! マジカ!
ということは食ったものは何処へ行くんだろうか。
あるいは本当はうんこするんだけどトイレを作る習慣がないだけとか?
トイレはあるけどオルクセンと形状が違いすぎてみつかってないとか?
うんこも全く臭くなくオークが見落としているだけとか?
摩訶不思議なエルフの生態に興味がむくむく湧いてきます。
騎兵封殺
敵騎兵の突撃を伏兵も用いつつ砲撃と射撃の火力で圧倒&完全封殺。
騎兵の時代の終焉を印象付ける戦いでした。
エルフ側の斥候が森の伏兵に気づかなかったのは魔術通信にだまされたってことですかね?
ディネルースたちがわざと本隊で魔術通信を頻繁に行い、エルフの耳を自陣に集め、森の伏兵を盲点にしたってことかも。
エルフ側が相手を侮る、その高慢さを利用した感じもします。
大鷲、爆撃機になる
自軍の苦戦にいてもたってもいられずといった感じで大鷲部隊、なんと質量武器の投下攻撃を開始!
大鷲って意外と力持ちなんだなー。
でも速度を落として低空まで行くと撃ち落とされそうで怖いぞ。ほどほどに。
殺処分
戦闘終了後の馬の殺処分。
これはたしかにつらいなぁ。馬は敵じゃないんだし。
騎兵という兵科が遠からず消滅するということは、こういう哀しい馬もいなくなるのだという、そういうよい側面もあるのかもなと思いました。
焦土作戦
エルフィンドもやるじゃない。
線路を破壊し食料を運び去り、大兵力を集めて迎え撃つ。焦土作戦じみた戦法だ。
またも試されるのはオルクセンの兵站か。
オルクセンの兵站力、底力がとことん試されますねー。
衰退の原因
エルフィンド農業、生産力の衰退は複合的な原因によるものか。
しかしそれら全てはオルクセンが支配すれば解決しそうでもある感じ。
オークの支配はエルフの大地、エルフたちを結局はを救うことになるかもしれないとも感じます。
エルフにとっても未来が幸せであればいいなぁ。
リヴィル湖畔の戦い
オルクセン軍エルフィンド軍双方で同時に塹壕が誕生するというのも面白いなぁ。
そうか、逆にここまでは塹壕ではなかったんだ。
時代が動き、何かが生まれ出す歴史的瞬間に立ち会うのはとてもワクワクするものです。
リヴィル湖畔の戦い開始。
オルクセン7,000の後備兵部隊に対して、エルフィンドは兵数2万5000で襲いかかる。
ここへきて突然の大ピンチ。うーん、こうでなくっちゃだ。
熾烈な戦いの描写の連打。
今にも部隊が全滅しかねない空気に圧倒されます。
ところでコボルトパイロットのタウベルトくんがちょくちょく出てきてそのたびにハラハラするんですが、1巻で死亡することがわかってるのが効いてますね~。
まとめ
ここまで比較的順調だった戦いが、次第に危機的状態の連続になってきました。
エルフィンドにもやっぱり名将がいて、予想外の角度から嫌らしい削り方をしてくるし、意図不明なタイミングで攻勢を仕掛けてきたりもする。
オルクセン側にも慢心や油断があったりして、順風満帆とばかりは行かない戦いになってきました。
4巻はなかなかにスリリングな戦いの連続でありましたねー。でもでもそうでなくっちゃですよ。ずっと楽勝なばかりでは戦記物の醍醐味に欠けてきます。こういう試練あってこそ、兵站の大切さ、その試行錯誤や、新たな発想が生まれたりするドラマ、その真の底力が描かれるわけですものね。
いやー、非常に面白くなってまいりました。
さあ、5巻はどんな戦いが待っているんでしょうか。

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